三宅美穂『句集 名医』(本阿弥書店)より

  • 2018.11.15 Thursday
  • 21:16

 

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1994年。
「渦」同人。
第4句集。

古酒かたむけアンドロメダ大星雲

寒卵つるりと飲んで逢ひにゆく

春疾風思はぬものを運び来し

水中へ階段つづく朧月

亀の子に遊んでもらつてゐる晩年

ちぬ釣りの一人に深い昼がある

言霊の行く方知れぬ風の秋

丹頂の丹を忘れし子鶴来る

梅の実の産毛が光る見知らぬ町

木枯に森の入口開けて置く

うつかりと斧を下ろせし子蟷螂

どんぐりや森の入口賑やかに

指の間より秋夕焼けの恐ろしや

合歓の花ひらく音する空耳か

そぞろ寒語尾を誤魔化す夕鴉

寒風に仲間入りする時雨かな

蝋梅に寄り道をする風の神

炎昼の鷺に声かけ損じたる

 

 

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