高野素十『句集 雪片』(新甲鳥)より

  • 2018.12.10 Monday
  • 21:49

 

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昭和27年。
第2句集。
言わずと知れたホトトギスの4Sの一人。
客観写生の極みで、私でも知っている句も。
農事の句は殊にいいなあと。農事に触れていないとできない句ばかり。
前半はほとんどおもしろいと思われなかったが、後半に入るといい句だなあというのが次々と。

一ひらの枯葉に雪のくぼみをり

方丈の大庇より春の蝶

顔を出すバケツの水の濁り鮒

田植女の手にひらひらと鮒あたり

ひつぱれる絲まつすぐや甲蟲

昨日今日船便りなし夜光蟲

づかづかと来て踊子にささやける

夕月に甚だ長し馭者の鞭

百姓の驚くほどの朝月夜

月の客或時は又萩の客

停りてほぐれつつあり秋の雲

志大いに秋の雨を行く

蘆刈女笑つて舟にとんと乗る

稲刈の姉のしぶきのはげしさよ

稲刈つて畔は緑に十文字

稲運びあきし子稲架にぶらさがる

欠航といふも冬めくもののうち

柊の花一本の香かな

盃を止めよ紅葉の散ることよ

落葉やや深きところが道らしき

もちの木の上の冬日に力あり

 

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