前田攝子『句集 雨奇』(角川書店)より

  • 2019.05.04 Saturday
  • 11:05

 

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2018年。
「漣」主宰、「晨」同人。第3句集。
「春のまのあたり句会」で拙句が前田主宰の特選となり、賞品としていただいた。

去年今年海のきはまで星満ちて

比良晴れよ比叡晴れよと揚雲雀

尼様のひときは小柄花まつり

一抱へ馬へ抱きくる藤若葉

虫干や箱を出にくき古今集

刺強きものを離れず秋の蜂

晩秋の日溜りとなる湖心かな

寒ムや世の何かくづれてゆく気配

龍天に登り赤子に蹴る力

みづうみは真闇いちまい白鳥座

大皿の山河に余る江鮭

雑炊や亡き人に腹立ててをり

渦潮の芯に現し身吸はれさう

身の上の相似し人や遍路宿

大岩に花冷の手を触れにけり

草餅や仏拝みし手につまみ

山桜朝のひかりを温めをり

有り余るひとりの時間春惜しむ

青嶺又青嶺巡礼続くなり

算数を解く子と並ぶ初電車

濡らしてはならぬ謄本春みぞれ

草いきれ湖の風切れしとき

夕焼のひろがつてゆく祝詞かな

臍の緒の琥珀のひかり小六月

よき七味あり湯豆腐と決めにけり

山羊の子の膝の汚れや水温む

給餌メモ貼りたる馬房春の風

一日かけ逢ひにゆく樹や泉汲む

子の気配なき箱庭の一軒家

夏至の日を朝昼晩と使ひけり

半夏雨丹波一国洗ひけり

可愛いと言ひあひ祭浴衣の子

海月など眺めてをりて遅れけり

大文字父の匂ひの書斎より

いつもの木仰ぎ白露と思ひけり

旅の途次かも秋蝶のあさぎ色

かなたまで山影しるし月今宵

マジックで時間書き換へ村芝居

蕉翁に曾良の連れだつ屏風かな

闇鍋の闇むんむんと煮詰まりぬ

黒コート畳み波郷の墓の前

 

 

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