『浅井陽子集(自註現代俳句シリーズ12期11)』(俳人協会)より

  • 2019.05.09 Thursday
  • 20:56

 

20190509_201756.jpg

 

平成29。
「運河」「晨」同人。「鳳」主宰。

蝶が蝶追ふ感覚の縮まらず

籐椅子のヌードモデルのガウンかな

祭の子父の太腿つかみ来る

新聞を漏斗に種を収めけり

月山の仔狐跳べる良夜かな

盆梅展二階の畳ふはつけり

一樹とは強きものなり山桜

清水の舞台の下の恋の猫

木雫のかたちくづさず凍りけり

切岸にまんまるの穴鳥の恋

月明の藁屋にピアノ連弾す

榾足して匂ひかはれる春炉かな

夏の蝶ひたすらといふ高さとぶ

水見舞水が一番よろこばれ

春筍の土ぬぐはれし黄金色

陽炎の育ちよき日となりにけり

山出でし日をとらへむと朴の花

風涼し智恵子生家の智恵子の間

雲走ることも涼しき朝かな

風船をたためば舟のかたちして

水中も日を返しつつ黄落す

ひろがらず響かず猪の猟銃音

風の的日の的となり仔馬跳ぶ

星座図を展ぐキャンプの火に照らし

野遊の果て湖に足浸す

蜷の道きのふの道に交はらず

休校が廃校となる巣箱かな

星座みな異国の神や星祭

まんまるはとどまる形芋の露

菌籠目のゆつたりと編まれをり

てのひらを舟のかたちに雛流す

寝ころべば雲走り出す花野かな

灯火親し魚のかたちの蔵書印

雲はみな力を抜けり秋の暮

八瀬寒し川のひびきを聞けばなほ

鳥こゑの変はるたび開け白障子

 

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