佐藤瑠璃『句集 尾白鷲』(東京美術)より

  • 2019.06.02 Sunday
  • 21:54

 

20190602_205628.jpg

 

昭和51。
秋櫻子門下。

公魚の湖はなれてはすぐ凍てぬ

傘触れて牡丹のひとつくづれけり

牧夫来て牛つどひそむ九輪草

絵硝子を影ひかり過ぐ夏の蝶

すぐ母に風邪さとらるる初電話

蘆花鏡花母の遺せし書を曝す

梟に白夜の森の暗からず

うごくもの大雪渓の羊のみ

鯵刺の銜へし白魚ひかりけり

船追ひて蟹摑みゆく尾白鷲

竹伐れば高天原にひびきけり

流氷の相搏つ音や夜の港

流氷の起伏まばゆき日の出かな

魚籠ぬけし蛸ゐて海女の跪坐ながき

牧牛に宗谷の霧笛鳴りつぐよ

夜明けつつ霜いちめんの草紅葉

ぼろ市の口あけ臼のまづ売れて

蟹摑みきて巌頭の鷲となる

星合の星を容れたり山の湖

成人祭加賀友禅の袖おもく

麗ら日のわだつみ声を忘れけり

白毫寺磴に椿の客溢れ

驢馬ぐるま触れゆくミモザこぼれけり

夕焼やくるま解かれし驢馬の群

磐走る水に満月くだけをり

ふくろうや栂のかこめる一氷湖

羊の毛刈るや雪渓ほそりたる

 

JUGEMテーマ:俳句

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM