荻野信子『句集 推古の音色』(本阿弥書店)より

  • 2019.06.10 Monday
  • 23:16

 

20190610_215902.jpg

 

1990年。
「雨月」同人。

太綱を地にお木曳の休みがち

善も悪も弥陀は一如と初法話

大吉にも一戒はあり初みくじ

春寒や降ろさるるなき磔刑像

こけし一つ買ふ惜春の旅の果

礫にも寄りくる迅さ柳鮠

炉塞いで畳まさをの小半畳

非力の手合はす他なき原爆忌

廊渡り来る看護婦の聖歌隊

老ごころ知るは老のみ冬ふかし

衣更へて志さむか句の軽み

毀損仏並ぶ宝蔵梅雨ふかし

梅雨冷の肘抱き齢さびしめる

涸るるまで滝の四季詠みなほ未完

大文字の客往年の下宿生

絞りたる白布百巻御身拭

投縄のしゆるると鹿の角捉ふ

生身魂生きてし不思議申さるる

花愛でて死を恋ふこころなかりけり

夫置いて死ねぬ私寒に入る

福の豆八十二とは仰山な

かにかくの碑や瀬をへだて古簾

峰入や先達に蹤く御門跡

燈火親し妻には妻の蔵書殖え

 

 

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