高田敏雄『句集 草笛』(玉梓発行所)より

  • 2019.10.15 Tuesday
  • 21:36

 

 

令和1。
「玉梓」同人。第1句集。

昔ほど鳴らぬ草笛鳴らしけり

忘れゐし梅酒琥珀を深めをり

風鈴をはづし小さき窓を閉づ

古井戸の水の四角に月浮かぶ

何を見て身を翻す秋燕

母の忌や母活けしごと小菊活け

ややありてのちの一声残る虫

天と地を分つ一声初鴉

料峭や渡るに長き渡月橋

詩仙堂風が色足す紅椿

葱坊主一句欲しそに力みをり

明石蛸命の値ぶら下げて

青簾かけて町家の整ひぬ

推敲の扇閉ぢたり開いたり

買ふつもりなく炎天に皿選ぶ

老鶯や聞かせ処はしたたかに

ジャズ流れくる枯蔦の高き塀

影にさへ躓く齢冴返る

薄氷の踏み砕かれしけもの道

落柿舎の風初蝶を呼びにけり

音ほどに見えぬ春雨降りやまず

たたみし葉また起き上がる柏餅

風踏んで足のかろさよ更衣

ふるさとの風の涼しき余生かな

一病のかげりはあれど初湯かな

児ら遊ぶ春のひかりを手に掬ひ

新涼や身を入れて拭く京格子

秋うらら小指の遊ぶ長電話

コンパスをきりりと回し冬に入る

音といふ音の逃げ込む冬木立

日短われの一日は長けれど

 

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