茨木和生『句集 真鳥』(角川書店)より

  • 2020.05.17 Sunday
  • 23:04

 

 

2015年。
「運河」主宰。「晨」同人。
第12句集。

木の化石木の葉の化石冬あたたか

見し夢のことのはてさて忘初

春駒の鞍外されて走りけり

ひと谷をとよもすこともほととぎす

滝の水かつて棚田も養ひき

蟻抓み抓み損ねて稚遊ぶ

水の深吉野の涼しさ極まれり

ふくらみて来たり桔梗の花袋

道を逸れゆけば一縷の秋の滝

花野広がる花嫁に花婿に

四阿は黒木の造り小鳥来る

日輪のことににこやか御遷宮

うどん鋤ジャンジャン横丁ならではの

年迎ふ本尊盗まれたる寺も

よく遊ぶ子の字のびやか筆始

聴きすましをれば確かに春蝉ぞ

骨切りの音や水鱧ならではの

息あらあらと緑蔭の大型犬

蛇も迂闊われも迂闊や蛇を踏む

根詰めて蓼食ふ虫を探さむか

大学生蝉をきもいと逃げにけり

霍乱の子のちんぽこの縮れやう

山荘の順路の中に秋の滝

綿虫を吹けば二つに分かれけり

しぐれせり夜の鉄軌を光らせて

大冬樹腰を叩いて見上げけり

あの呑み屋この呑み屋なし六林男の忌

 

 

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