『杉良介集(自註現代俳句シリーズ九期7)』より

  • 2017.08.29 Tuesday
  • 21:22

 

畑打つて美濃の山城きらめかす

流星に願ひ人間臭きこと

福相を深めて父の日向ぼこ

待春やとびとび押しの朱印帖

耳の日や役所にでんと投書箱

うれしさが後脚に出て跳ね仔馬

崩れむとしては蚊柱たち直る

紙皿にカレー山盛り文化の日

寒餅のひび吉なりや凶なりや

黒鯛(ちぬ)釣りの岩一枚を分かち合ひ

蝙蝠(かわほり)のひるがへりては星を出す

子の部屋の暑さポスター貼りつめて

鹿の子の眼のつぶら班(ふ)のまだら

裸木の上に裸の空ありて

鳥渡る豆粒ほどの五色沼

広島の牡蠣ぢやあ食うてつかあさい

巫女の緋袴にとびつく春の雪

寒柝を打つ星からも打ち返す

婆にまだちから青梅打ち落とす

月あふぐ岩一枚の橋の上

跡取りも嫁もあきらめ耕すか

皇居いま大虫籠といふべきか

水無月の水をゆたかに河童淵

 

 

JUGEMテーマ:俳句

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