粟津松彩子『句集 あめつち』(天満書房)より

  • 2018.05.31 Thursday
  • 21:59

 

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さながらに伐折羅の怒髪佛手柑

梅林の丘雲去来人去来

頭から足の先まで籐寝椅子

竹の音石の音とも添水鳴る

大琵琶をかたはらに置く昼寝かな

青天が立ち塞がつて雪の道

脳天の吹き出す汗をかきにけり

大琵琶の銀河を浴びてをりにけり

バイオリン聞こえて来さう雪霏々と

鶯の声にけしきのありにけり

小説に赤と黒あり金魚にも

船形の火に海原となる夜空

底冷の底といふ日の京にあり

亡き母を美人と思ふ母の日に

八十九歳の悴む御尤


著者は「ホトトギス」同人(発刊時)

 

JUGEMテーマ:俳句

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